甲状腺内科
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甲状腺に関する著書(第一著者のみ)

 

和文

1. 窪田純久、深田修司、伊藤充、玉井 一、横澤 保、隈 寛二:
偽性副甲状腺機能低下症・型を合併したバセドウ病の1例. ホと臨 (48(増刊号)):123-126-, 2000.
   
2. 窪田純久,平岩哲也,大江秀美,深田修司,隈 寛二,宮内 昭:
TRAb ELISAキット(株コスミック コーポレーション)を用いて測定した抗ウシTSH抗体を持つバセドウ病患者のTBII. 医学と薬学 (46(3)):407-412-, 2001.
   
3. 窪田純久、深田修司、伊藤 充、玉井 一、隈 寛二:
アイソトープ療法後に眼症を発症したバセドウ病の6例. ホルモンと臨床 (49):64-66-, 2001.
   
4. 窪田純久,深田修司,伊藤 充,玉井 一,隈 寛二,宮内 昭:
外眼筋腫大を呈したTRAb,TSAb陰性のHypothyroid Graves’ diseaseの1例. ホルモンと臨床 (50(増刊号)):64-66-, 2002.
   
5. 窪田純久,佐々木一郎,大江秀美,深田修司,隈 寛二,宮内 昭:
ラジオレセプターアッセイ法による高感度TRAb測定法(TRAbCT「コスミック 」)の検討.  従来法(液相法)との比較. 医学と薬学 (48(3)):481-485-, 2002.
   
6. 窪田純久,深田修司,大江秀美,平岩哲也,隈 寛二,宮内 昭:
バセドウ眼症は阻害型TSH受容体抗体の出現によって改善するのか?(1例報告). ホルモンと臨床 (51(増刊号)):86-88-, 2003.
   
7. 窪田純久、大江秀美、網野信行:
橋本病と性差. 性差と医療9(2):1041-1046, 2005.
   
8. 窪田純久:
甲状腺疾患. 綜合臨床Suppl.(55):442-445, 2006.
   
9. 窪田 純久:
バセドウ病の治療と治療上の注意点.兵庫保険医新聞1486:-, 2006.
   
10. 窪田純久:
内分泌症候群(第2版):絨毛性腫瘍による甲状腺中毒症.別冊日本臨床 新領域別症候群シリーズ (1): 282-284, 2006.
   
11. 窪田純久、椋田稔朗:
心療内科と甲状腺疾患(対談).Pharma Medica 7(24): 108-113, 2006.
   
12. 窪田純久:
バセドウ病眼症とTSHレセプター抗体.Medical Tribune :97-97, 2006
   
13. 窪田純久、友田智哲、宮内昭:
ヨード制限食の実際—甲状腺専門病院の事例.ホルモンと臨床6(55): 87-94, 2007.
   
14. 窪田純久:
からだと心相談室.毎日新聞 2008年7月26日夕刊 : 4-4, 2008.
   
15. 窪田純久:
質疑応答; 炭酸リチウムと甲状腺機能異常.日本医事新報 (4415): 95-96, 2008.
   
16. 窪田純久:
からだと心相談室 バセドウ眼症の治療について.毎日新聞(2009年2月21日夕刊誌) : 2009.
   
17. 窪田純久:
疾病管理 バセドウ病の診断と疾病管理.Book甲状腺疾患の疾病管理テキスト、監修宮内昭、編集網野信行、メディカルレビュー社 : 24-27, 2009.
   
18. 窪田純久(分担執筆)、中井吉英監修、
内分泌糖尿病心理行動研究会編、新曜社: 甲状腺機能低下症における心理と行動. Book医療における心理行動科学的アプローチ 糖尿病・ホルモン疾患の患者と家族のために  :136-141, 2009.
   
19. 窪田純久:
健康Q&A甲状腺機能亢進症の診断:ステロイド療法が必要?.毎日新聞 日刊誌(2009年10月27日): 16-, 2009.
   
20. 窪田 純久、網野 信行、宮内 昭:
Ⅸ-5 甲状腺疾患. 診療ガイドラインUP-TO-DATE 2010-2011:422-445, 2010.
   
21. 窪田 純久、宮内 昭:
若年女性の甲状腺腫脹Q&A.週刊 日本医事新報4499: 80-81, 2010.
   
22. 窪田純久:
妊娠を契機に見つかった甲状腺中毒症の鑑別診断と治療法. 内分泌・糖尿病・代謝内科2(31):128-132, 2010.
   
23. 窪田純久:
バセドウ病の抗甲状腺薬治療. 内科1(107):47-51, 2011.
   
24. 窪田 純久:
Ⅳ.甲状腺腫瘍 甲状腺腫瘍の検査・診断  甲状腺腫瘍の検査・診断法;概論.日本臨床「内分泌腺腫瘍 -基礎・臨床研究のアップデート-」 増刊号2(69): 275-280, 2011.
   
25. 窪田 純久:
バセドウ病の131I内用療法のゴールをどこに置くか:ゴールの多様性と甲状腺機能正常を保つ試み.日本甲状腺学会雑誌2(2): 102-105, 2011.
   
26. 窪田 純久:
甲状腺機能検査で何がわかる?. 外来でどう診る?甲状腺疾患. 深田修司編 : 8-12, 2011.
   
27. 窪田 純久: ちょっと視点を変えて
多嚢胞性甲状腺疾患(polycystic thyroid disease)とは?. 外来でどう診る?甲状腺疾患. 深田修司編:
163-165, 2011.
   
28. 窪田 純久:
「抗甲状腺薬による無顆粒球症p5」「甲状腺疾患の問診・触診と診断の進め方p26」「hCG産生腫瘍と甲状腺中毒症p98」「抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb), 抗サイログロブリン抗体(TgAb)p150」「サイログロブリン(Tg)p152」
甲状腺・副甲状腺診療 ゴールデンハンドブック. 宮内昭監、網野信行編. 南江堂. 2012
   
29. 窪田 純久:
亜急性甲状腺炎(専門医に学ぶ内分泌疾患の診断・治療). メディチーナ 50(10):1768-1771, 2013.
   
30. 窪田 純久:
やさしく解説 甲状腺疾患の診断と治療 甲状腺を専門としない医師のために. 南江堂. 2016

 

英文(first authorまたはcorresponding authorのみ)

1. Kubota S, Gunji K, Stolarski C, Kennerdell JS, Wall J :
Reevaluaioin of the prevalence of serum autoantibodies reactive with   “64-kd eye muscle proteins” in patients with thyroid-associated ophthalmopathy. Thyroid  8 (2): 175-179, 1998.
   
  1990年代にはバセドウ病眼症の患者さんの血液中には外眼筋に存在する64キロダルトンの大きさのタンパクを抗原とする抗体があると言われていました。その抗原が何であるかを探すのが私の研究目的でした。その抗原の大きさが実際には64キロダルトンよりも大きいというのがこの論文の主旨です。
   
2. Kubota S, Gunji K, Ackrell B A C, Cochran B, Stolarski C, Wengrowicz S, Kennerdell J S, Hiromatsu Y, Wall J:
The 64-kilodalton eye muscle proteins is the flavoprotein submit of mitochondrial succinate dehydrogenase: The corresponding serum antibodies are good markers of an immune-mediated damage to the eye muscle in patients with Graves’ hyerthytoidism. J Clin Endocrinol Metab (83(2)): 443-447, 1998.
   
  いわゆる64キロダルトン抗原蛋白はミトコンドリアにあるサクシネートデハイドロゲナーゼという蛋白であるということを証明した論文です。64キロダルトン抗体は眼筋の破壊により二次的に生じる抗体かもしれません。眼筋障害の指標になる可能性はあります。
   
3. Kubota S, Fukata S, Matsuzuka F, Kuma K and Miyauchi A:
Successful Management of a Patient with Pseudomalabsorption of Levothyroxine. Int’l J Psychiatry in Medicine (33(2)): 183-188-, 2003
   
  甲状腺ホルモン剤の偽性吸収障害の患者さんの治療報告です。
   
4. Kubota S, Tamai H, Ohye H, Fukata S, Kuma K and Miyauchi A:
Transient Hyperthyroidism after Withdrawal of Antithyroid Drugs in Patients with Graves’ Disease. Endocrine Journal 2(51): 213-217, 2004.
   
  バセドウ病の患者さんの治療を抗甲状腺薬で行い、寛解に至ったと判断すれば薬を中止します。中止後に甲状腺ホルモンが上がってくれば再発ということになりますが、実は再発ではなく自然に改善する例があることを初めて示した論文です。その一過性の甲状腺機能亢進症においてはTRAbが上昇し、放射性ヨード摂取率も低値ではないため無痛性甲状腺炎ではないと考えられます。再発と診断されれば、その後は薬を中止する機会が失われるか、他の治療法に切り替えられることが多いため、一過性上昇と再発をできるだけ見極めようという提案をしました。
   
5. Kubota S, Ohye H, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Fukata S, Amino N, Kuma K and Miyauchi A:
Effect of High Dose Methylprednisolone Pulse Therapy Follwed by Oral Prednisolone Administration on the Production of Anti-TSH Receptor Antibodies and Clinical outcome in Graves’ Desease. Endocrine Journal 6(52): 735-741, 2005.
   
  重度のバセドウ病眼症の患者さんにはステロイドパルス療法を行います。ステロイドパルス療法を受けた患者さんのバセドウ病は治りやすいのか、それとも治りにくいのかを調査した研究です。結果的にはステロイドパルス療法を受けた患者さんとそうではない患者さんの寛解率には差がありませんでした。ステロイドパルス療法の1年後にTRAbが下がっていなくても眼症の改善には無関係でした。バセドウ病眼症に対するステロイド剤の主な作用は免疫抑制ではなく、抗炎症作用ではないかと考えられます。
   
6. Kubota S, Ohye H, Sasaki I, Nishihara E, Kudo T, Fukata S, Amino N, Kuma K, Mitsuda N, Miyauchi A:
Successful use of iodine and levothyroxine to treat Graves’ disease in a pregnant patient with allergy to antithyroid drugs and high thyrotropin-binding inhibitor immunoglobulin after radioiodine therapy. Thyroid 15(12): 1373-1376, 2005.
   
  放射性ヨード内用療法後にTRAbが上昇することがあります。その時期に妊娠すると母親の甲状腺機能は正常か、低下しているのにもかかわらず、胎児が甲状腺機能亢進症になり(胎児バセドウ病)早産または死産に至ることがあります。そういうときでも妊娠中に母親に抗甲状腺薬と甲状腺ホルモン剤を内服させることで胎児バセドウ病を防ぐことができます。この症例では抗甲状腺薬に副作用があるため使用できませんでした。しかし母親にヨード剤と甲状腺ホルモン剤を内服させることにより胎児バセドウ病を防ぎました。世界で初めての治療報告です。
   
7. Kubota S, Fukata S, Amino N, Miyauchi A:
Thyroid Stimulation-Blocking Antibody and Graves’ Ophthalmopathy. Thyroid 16(7): 708-708, 2006.
   
  ブロッキング抗体が出現するとバセドウ病眼症が改善するのではないかという意見に対して症例をあげて反論したものです。
   
8. Kubota S, Ohye H, Yano G, Nishihara E, Kudo T, Ito M,Fukata S, Amino N, Kuma K and Miyauchi A:
Two-day Thionamide Withdrawal prior to Radioiodine Uptake Sufficiently Increases Uptake and does not Exacerbate Hyperthyroidism Compared to 7-day Withdrawal in Graves’ Disease. Endocrine Journal 5(53): 603-607, 2006.
   
  バセドウ病患者さんに放射性ヨード内用療法(アイソトープ療法)を行う前には慣習的に7日間の抗甲状腺薬中止が行われていました。7日間では中止している間に甲状腺ホルモンがかなり上昇し、患者さんが苦しい思いをすることがありました。この研究では中止期間を2日間にすると甲状腺ホルモンの上昇が少なくなり、しかも治療効果はあまり変わらないという結果が得られました。この研究以後、患者さんがより楽に放射性ヨード内用療法を受けることができるようになりました。
   
9. Kubota S, Matsuzuka F, Ohye H, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Arishima T, Fukata S, Hirokawa M, Amino N, Miyauchi A:
Sustained fever resolved promptly after total thyroidectomy due to huge Hashimoto’s fibrous thyroiditis. Endocr (31): 88-91, 2007.
   
  橋本病急性増悪の症状は甲状腺の痛みと、発熱です。報告した症例は原因不明の発熱と炎症反応が持続していましたが、甲状腺の著明な腫大があるだけで痛みはありませんでした。炎症反応が消えないことと、美容的な観点から甲状腺全摘を行った結果、炎症反応は消失し、解熱しました。痛みを伴わない橋本病が不明熱の原因になりうることを世界で初めて報告しました。
   
10. Kubota S, Takata K, Arishima T, Ohye H, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Fukata S, Amino N, and Miyauchi A:
The Prevalence of Transient Thyrotoxicosis after Antithyroid Drug Therapy in Patients with Graves’Disease. Thyroid 18(1): 63-66, 2008.
   
  2004年にバセドウ病患者さんにおいては抗甲状腺薬を中止後に一時的に甲状腺ホルモン上昇が見られることがありますが、それは必ずしも再発ではないことを報告しました。今回はその一過性上昇がどの程度の頻度で起こっているのかを前向きの研究で調査しました。その結果、寛解に至る患者の41.2%に一過性上昇が起こっていました。つまり、約4割の患者さんは再発と間違われる可能性があったということです。この論文を通して再発なのか、一過性上昇なのかの見きわめが必要であることを再度強調しました。この論文は2008年のClinical ThyroidologyにNearly half the relapses of Graves’ hyperthyroidism after antithyroid drug withdrawal are transient and require no further therapy. という形で取り上げていただきました。
   
11. Kubota S, Amino N, Matsumoto Y, Ikeda N, Morita S, Kudo T, Ohye H, Nishihara E, Ito M, Fukata S, and Miyauchi A:
Serial Changes in Liver Function Tests in Patients with Thyrotoxicosis lnduced by Graves’ Disease and Painless Thyroiditis. Thyroid 18(3): 283-287, 2008.
   
  バセドウ病を抗甲状腺薬で治療すると治療初期に一過性の肝酵素上昇が見られることがあります。抗甲状腺薬による肝機能障害と判断すれば、抗甲状腺薬を中止し、他の治療法に切り替えることになります。しかし、肝酵素の上昇が薬のせいでなければそのまま使い続けることができます。この論文ではバセドウ病の治療初期には一時的な肝酵素の上昇が見られることがあり、抗甲状腺薬を中止しなくてもよいことがあることを報告しました。無痛性甲状腺炎による甲状腺中毒症でも一過性の肝酵素の上昇が見られることから、代謝の変化が肝酵素の上昇を起こしているのであろうと推測しました。
   
12. Kubota S, Fukata S, Amino N, Miyauchi A:
Graves’ desease can be a lethal disorder in young adults. Thyroid 18(8): 915-916, 2008.
   
  バセドウ病は致死的な病気ではないと考えられています。しかし治療の中断や放置により死亡することがあります。この論文(レター)は60歳以下の若い方でどれくらいの方が亡くなっているのかを調べたものです。バセドウ病を軽く見てはいけないというメッセージを込めています。
   
13. Orito Y, Oku H, Kubota S (corresponding author), Amino N, Shimogaki K, Hata M, Manki K, Tanaka Y, Sugino S, Ueta M, Kawakita K, Nunotani T, Tatsumi N, Ichihara K, Miyauchi A, Miyake M.
Thyroid function in early pregnancy in Japanese healthy women: relation to urinary iodine excretion, emesis, and fetal and child development. J Clin Endocrinol Metab. 2009 May;94(5):1683-8.
   
  パルモア病院との共同研究です。甲状腺自己抗体がなく、甲状腺疾患の既往のない健常な妊婦さんを対象にしました。妊娠初期の甲状腺機能と尿中ヨウ素量の関係を調べ、その妊婦さんから生まれた赤ちゃんの発達状態まで検討しました。その結果、日本人妊婦ではやはりヨード摂取量が多いことが判明しました。またヨード摂取量とTSHには正の相関がありましたが、顕性の甲状腺機能低下症の人はいませんでした。ヨード摂取量と赤ちゃんの発達には関係がありませんでした。私はヨード欠乏地帯よりもヨード過剰の方が妊娠にとっての問題が少ないだろうと考えています。
   
14. Kubota S, Fujiwara M, Hagiwara H, Tsujimoto N, Takata K, Kudo T, Nishihara E, Ito M, Amino N and Miyauchi A:
Multiple thyroid cysts may be a cause of hypothyroidism in patients with relatively high iodine intake. Thyroid 20(2): 205-208, 2010.
   
  かなり前から甲状腺に小さな嚢胞が多発している患者さんで軽度の甲状腺機能低下症が生じることに気づいていましたが、軽度の橋本病が隠れているのだろうと勝手に解釈していました。ところがそういう症例を集めてみると、甲状腺自己抗体が陰性で、細胞診でもリンパ球が見あたりません。またヨード摂取に敏感で、海草類をとりすぎると甲状腺機能低下症になりやすいという特徴がわかりました。この論文では世界で初めてそのような症例を7例報告し、新しい疾患として多発嚢胞性甲状腺疾患(polycystic thyroid disease)と名付けました。
   
15. Kubota S, Maruta T, Fujiwara M, Hagiwara H, Tsujimoto N, Kudo T, Nishihara E, Ito M, Amino N, Miyauchi A:
The prevalence of polycystic thyroid disease in hypothyroid patients with negative thyroid autoantibodies. Thyroid 20(11): 1205-1208, 2010.
   
  私たちが発見した多発嚢胞性甲状腺疾患が実際にはどれくらいあるのかを調べた論文です。その目で見ると今まで軽度の橋本病と診断していた中にけっこうあることがわかりました。隈病院の外来新患で甲状腺機能低下症を起こしていた患者さんの約7%が多発嚢胞性甲状腺疾患であったというのがこの論文の主旨です。
   
16. Kubota S, Hirokawa M, Takamura Y, Ito Y, Tamai H, Kudo T, Nishihara E, Ito M, Amino N, Miyauchi A:
Pathologic features of polycystic thyroid disease: Comparison with benign nodular goiter. Endocrine Journal 58(9): 783-788, 2011.
   
  多発嚢胞性甲状腺疾患には病理学的特徴があるのかを調べた論文です。たまたま小さな乳頭癌が合併しており、手術を受けた多発嚢胞性甲状腺疾患の患者さんの甲状腺組織を調べ、腺腫様甲状腺腫の患者さんと比較しました。多発嚢胞性甲状腺疾患の患者さんでは甲状腺濾胞が拡大して嚢胞になっていました。いわゆるコロイド嚢胞です。一見正常と思われる部分の濾胞も拡大しており、腺腫様甲状腺腫の組織像とは異なっていました。やはり病理学的に見ても新たな疾患群と考えて良いだろうというのが結論です。
 
17. Kubota S, Nishihara E, Kudo T, Ito M, Amino N, Miyauchi A.
Initial Treatment with 15 mg of Prednisolone Daily Is Sufficient for Most Patients
with Subacute Thyroiditis in Japan. Thyroid 23(3): 269-272. 2013
   
  亜急性甲状腺炎の治療法について述べた論文です。症状の重い亜急性甲状腺炎には、プレドニゾロン(ステロイドホルモン剤)を用います。プレドニゾロンはとてもよく効き、甲状腺の痛みや発熱などの症状は劇的に改善します。しかし、これまではプレドニゾロンの投与量や投与期間がはっきりと決まっていませんでした。亜急性甲状腺炎の症例数が少ないためだと思われます。1993年にカナダのボルペ先生がプレドニゾロンを40mgから開始し、数週間で漸減するということを書いておられ、その論文を元に治療されていました。 私たちは経験上、少なくとも日本人においてはもっと少ない量で済むことがわかっていましたのでプレドニゾロンを15mgから開始し、2週間ごとに5mgずつ減らし、6週間で治療を終了するという治療法を考えました。その治療法を用いて219人の亜急性甲状腺炎の患者さんを治療した結果と考察がこの論文の内容です。結果は6週以内に治癒したものが51.6%、7-8週で治癒したものが27.9%でした。増量を要したものは3.2%でした。私たちが提案した治療法は従来の治療法と比べても治療効果は変わらず、副作用もほとんどありませんでした。亜急性甲状腺炎の治療においては、今後この方法が標準的な治療法となるでしょう。この論文はアメリカ甲状腺学会のClin Thyroidol 2013;25:43–44.にSubacuteThyroiditis Is Treated Effectivelyby a Low Dose of Prednisolone. として紹介され、高い評価を受けました。
 
18. Kubota S.
Successful Re-administration of Low-dose of Methimazole (MMI) in Graves' Disease Patients Who Experienced Allergic Cutaneous Reactions to MMI at Initial Treatment and Had Received Long-term Propylthiouracil (PTU).
Intern Med. 55(22): 3235-3237, 2016
   
  バセドウ病の治療初期にMMI(メルカゾール)で薬剤性蕁麻疹が出たため、PTU(チウラジール)に変更された患者さんが時々おられます。PTUの長期内服によりANCA関連血管炎が発症したという報告が見られるため、甲状腺専門医はできるだけPTUよりもMMIを使いたいと考えています。PTUに変更された患者さんでもバセドウ病が長期間安定したときであれば少量のMMIへの変更、再投与により薬剤性蕁麻疹が出ないのではないかという仮説を検証した研究論文です。結果はMMIを再投与した9人中8人には何の症状も出ませんでした。治療初期に初期投与量のMMIで薬剤性蕁麻疹が出ても、安定した時点では少量のMMI再投与により有害事象がほとんど出ないようです。